5.支援について
a)発達支援とは何?
・学習、言葉、社会性、運動、情緒、生活力などの遅れや問題の状態に応じて適切と考えられる指導、助言、トレーニ
ングを行うことで、治すのではなく、育てていく為の手段
b)何を目指して取り組む?
・自立的生活を目指すこと(自立に必要なスキルを身につけること、自立心を養うこと)
※ 特定スキルの向上だけでなく、スキル全般に目を向けること、またこの過程の中で心もいっしょに育てる配慮を
例えば学習だけではなく生活のスキルにも目を向けることや状況判断、計画、自己決定する機会を与えるなど
c)効率的支援とは?
・子どもの居場所である、家庭や学校で行い、この場にいる人が必要な支援を行うことが効果的
<理由>・関わる時間が長い・子どもにとっての影響力が大きい(いい意味でも、悪い意味でも)
d)専門家の役割
・問題の原因や支援方法を子どもに関わる人に説明し、経過を見ながら追加や修正を行っていきます。また必要に
応じ本人に直接支援します。(子ども自身が問題に向き合え、発信できることが望ましい)
e)支援のステップ
@子どもと向き合うことの大切さ(理解と受容)
現在おかれている状態は、何が原因なのか知ること、知ることで誤解や子どもに対する否定的感情を防ぎ、適切な
支援のベースを築くことになります。(親の要求水準の適正化)
※ 問題の現象にとらわれたり、○○障害とか遅れているからだけでなく、現在の問題は何が原因で引き起こされているか?
また他に与える影響について知ることが大切です。
例)記憶の弱さ 学習への影響(九九がなかなか覚えられない、漢字を覚えることが苦手など)
コミュニケーション(言われたことをすぐに忘れてしまう、説明が長くなるとわかり難くなる)
対人関係(コミュニケーションが一部、取りづらいことによるトラブルや消極的関係)
劣等感、自己否定的感情
以上の背景が分かれば子どもの苦痛を受け止めやすくなります。
A適切な目標を持つこと
@が充分であれば子どもにとって何が適切な支援かが分かりやすくなります。
(達成可能なこと、工夫やスモールステップの立て方など)
B自分を知ること、目的を持つこと
・自分のことが分からないといくらよい支援であっても継続性が保ちにくくなります。
・自分を知ることで何のために支援を受けているかが分かり、自発的に取り組みやすくなり効果が上がりやすい。
C見通しを+にすること(@〜Bの条件をみたすこと)
“二次的問題を起こしやすい特徴”を少なくすることで“正の循環”に持っていきやすくなります。その為にまず、自己
肯定的感情を養うことで(達成可能な目標を立て到達することの積み重ね)見通しを+にすること。+になると
失敗してもこれを乗り越えようとします。