<理解すること>
理解には段階があって、それは「理屈の理解」「経験を通じての理解」「身にしみての理解」です。
カウンセリングにおいて問題の背景や原因について理解していただくことはとても大切で、その訳については、この「支援方法」の中で度々とりあげています。
であるがゆえに機会が多々あるのです。理解してもらえるかどうかは、私の説明の仕方によることも大きいために、注意しています。
実際、カウンセリングしていてどういうことが起こっているかを述べます。
まず「理屈の理解」の話をするのは、状況がさほど深刻でない時に現状の把握や予測されることへの理解の促進のためで、取り組みの基礎作りに当たります。
この時によくみられる4つの代表的なパターンがあるのでそれを紹介します。
・聞く方が気になった箇所を切り取り、その部分が重要であると捉えているので伝えたいことの全体把握がされにくいこと。
・価値観による物差しをあて、価値基準で整合性をつけようとすることで、伝えたいことのニュアンスにずれが生じやすいこと。
・どうあるべきかの結論が説明する前に出ており、理解する必要性をあまり感じていない。
・原因と結果を知ることよりもどう対処するか解決すべきかに意識が強く働いていて、理解する必要性をあまり感じないために理解が希薄な状態であること。
これらのことがいけないことであると言いたいのでなく。人それぞれであるので考えや価値観が違うことは、自然なことなのです。
後者の「経験を通じての理解」「身にしみての理解」では経験を伴うので前者とは事情が違ってくるのです。
色々な現実を突きつけられることで後悔や反省、切迫感が生じているので、上記のような枠組みで捉えることが難しくなるし、現実的対応するために現実を直視し、その原因に意識が向き始めるのです。つまり「理屈での理解」へ状況や意識が回帰し易くなるのです。
これは早く起きた方がよいのですが・・・
早く起こす計画を立てることは出来ないことですが、まさに時期がくる(色々な出来事を経ることで問題要素に関連した問題が出ること)のです。
問題なのは、周囲が、先回りして問題が出ないように援助することです。これは、適切な判断や行動を遅らせる援助?をしていることになるのです。
困ることで事態に向き合う、考える領域に達して適切な行為に結びつきやすい状態になります。
そうして、事態の改善や解消に向けて動きはじめるのです。