4.問題の捉え方について
a) 発達障害から二次的問題への進行
発達障害による一次的問題(前項参照) 発達障害による問題
一次的問題によるストレス(自信欠乏、不全感、自己否定感、嫉妬、憂うつ、攻撃的感情など) 心の問題
※ 二次的問題を起こしやすい子どもの特徴
<反抗期がない・過剰な質問が多い(自己決定が出来ない)・まじめ・几帳面・友達に対して感情表現がしにくい・
友達がいないか少ない・自己の問題に向き合えない>
※ 二次的問題を起こしやすい親の特徴
<子どもの世話をよくする(先々のことを考え、こどもが困らないように援助する)・指示、注意が多い・理解と受容が
できない・子育て目標の誤り・夫婦間の子育ての意見不一致による片親の孤立>
二次的問題(不登校・引きこもり・場面緘黙・神経症、心身症、抑うつ、非行、家庭内暴力など) 心の問題
※ 二次的問題は発達障害特有の問題ではありませんし、対応如何においては問題が出ない場合もあります。
b) 心と行動の循環様式
(正の循環)
※ 考えて行動しようとする機会が増えてきます
(葛藤)場面→分析→計画→行動→解決といった生きるうえで重要な思考行動様式を
自主トレーニングすることになります。
※ 正の循環では持ちうる能力を最大限発揮しやすくなります。また二次的問題を起こしにくくなります。
(負の循環)
※ 目標や、やりたいことがあっても“出来なかったらどうしよう”と思い、しり込みしてしまう。
※ 不安を溜め込む→不安なことが起こる可能性が低くても“〜になったらどうしよう”と思い悩んでしまう。
※ 負の循環では持ちうる能力を充分発揮しにくくなります。また二次的問題を起こす危険性が高くなります。
c) 問題の大きさと見通しについて
・大きな問題 例) ・授業妨害・暴力を振るい友達を傷つける・非行・不登校・引きこもり・家庭内暴力・就労に
入っていけないなど
※ 小さな問題から徐々に大きくなったことを理解する。
・小さな問題 例) ・授業中ボ〜としている・手悪さ・宿題をやってこない・整理整頓が出来ない・忘れ物が多い・
交友関係が少ないまたは孤立化・友達と関係を持つも感情表現が少ない(過剰適応)・週
明けに休むことが多い・はっきりとした原因がないのに体調不良を訴える
※ 適切な対応をしていかないと大きな問題に発展する可能性があることを理解する
※ 小さな問題のうちにきちんと支援することが大切で、“問題が小さいから、ほかにも同じような問題を抱えている子もいるから、
もっと大変な子がいるから、今困っていないから大丈夫”は危険!
見通しを確認すること、(現在、未来予想)
<見通し>
+
―
・ストレス(発散) ・ストレス(蓄積)
・自我(自己目標、意思表示、主体的行動) ・自我(不安、依存、過剰適応、消極性)
・活動性(努力、活気) ・活動性(逃避、不活発、攻撃性)
・問題(消失や軽減) ・問題(変化が見られない、深刻化、問題の追加)
・生活リズム(適切) ・生活リズム(崩れ)
※ +の状態であると支援する必要性が少なくなってきます。問題に変化が見られず他領域が+の場合で、
問題が現在、将来において生活上、大きな支障を与えない場合であれば心配いりません
※ ―であり、二次的問題を起こしやすい特徴を持ち、負の循環になっている場合は二次的問題を起こす確
立が高くなります。
※ +の状態であると子育てが楽しく、気分が軽くなります。―の状態であると気分が重い状態が徐々に増していきます。