今の時代に生きること>



現代は、速いこと、効率がいいこと、要領がいいこと、情報を多く持っていること、利潤を求めることが、よいこととされ、また有能評価される時代です。しかし発達に課題を抱えたり、集団になじめない状態にあることは、この波に乗りにくい条件を背負って生きることになります。これをどう捉えるか・・・生活条件で見れば軽い現実でなく、重いのかもしれません。だから克服や軽減に着目をされることは、自然な流れになります。確かに教育や環境により、適応状態が変化するもので、この可能性にエネルギーを注ぐことになります。
この現象とそれへのアプローチの流れは、一見、理にかなっているように見えますが、見過ごされやすいことがあるのです。当たり前ではあるのですが、現状の問題をよくないことと捉えることからスタートしていること、つまり問題=否定的に見てしまいやすいことです。問題解決に関心が行けば、行くほど、意識していないわけではないのでしょうが、当事者が抱えて生きている現実とその思いに注目されにくくなる現象が起きやすくなることです。当事者には、言葉でなくとも自分が肯定的に受け止められているかどうか感じ取ります。
日頃から大なり小なり比較評価で辛い思いをして、自己否定的感情を持ちやすい状況に加え、周りから肯定的に見られていない場合には、支援への適切なモチベーションが得られるか? 支援への影響はどうか? ということになります。
たとえですが、旅行をするときに目的地まで、新幹線、飛行機、電車、車のどれを選ぶか、目的地まで早く行くことを優先させるか、道中にあるものを時間をかけて見て回るかで楽しみ方が違ってくるし、経験できない、出来ることの違いが生じます。これに優劣をつけれないと思ますが。
人にも同じことが言えることで、それぞれの違いと違いがあるがゆえに他の人には経験できないこと、時には苦しいし、重いこともあるけど、乗り越えたり、感動したり・・・そこから学ぶことも多いのも事実です。