<我慢すること>
我慢とは目標を手に入れるために感情を押さえ込むことで目標が手に入れば我慢が報われることになりますが、もともとストレスのかかる、強い自制の心理なので自制が効かなくなると我慢は終わります。ただ終わるだけなら影響は少ないのですが、抑圧されたエネルギーはおさまりがつきにくく、大抵は、怒り、不満、不全感、劣等感、自己を卑下するなどの陰性感情を伴い、それが当人のみならず、外部にも影響を与えやすいこともあるのです。
相談場面では親子間の関係でよく見られます。たとえば、親が○○すべき、とか正しいことに自分を持っていこうとします。我慢できているうちは正しい事をしているのですからいいのですが、親が望む方向に子どもが行かない場合やむしろ逆方向に行っている場合に我慢も限界にきて怒りが爆発する、切れるなどです。
その結果、親子間の関係性に悪影響が出てしまうのです。我慢して得ようとしたことがマイナスになってしまうことあるのでリスクがあるわけです。
では目標を手に入れるためにはどうするかですが、まず、目標は我慢することで手に入れるより、事態をもう一度冷静に見てその成り立ちや因果関係を理解し受け止めることなのです。つまり事態を理解して受け入れることのパーセンテージが高いほど適切な目標を立てることになり、我慢することは必要ではなくなるのです。正しい目標か、適切な目標かには大きな違いがあります。正しい目標とは、道義的、道徳的、世間的、常識的なことを基準にしていますが、適切な目標とはその人に合ったという意味で、達成見込みの高い必要性のある事柄なのです。
さらに好ましいのは、子ども自身が自分で適切な目標を持ち我慢でなく自分のために頑張る意識と行動を起こせることです。そのために自己に目が向くように周囲が働きかけることなのです。