<ボーダレス>
障害があるのかないのか、病気なのかどうか、それはなんという障害や病気なのか・・・
気になることです。障害や病気はその診断をつけるルールがあります。それは診断するに必要な条件で、それを満たせば診断がつくわけですが、全てがスムーズにいかないものです。人為的に枠組みを決めているのが、その訳です。本来、自然界には、ここからここまでが普通で、ここから異常である明確な枠組みは、ないのです。だから障害や病気によっては、枠組みを決めても後に矛盾等が生じ、基準や名称が変わっていくのです。例えば、色彩において赤と白においてその中間色には、ピンクがあります。赤とピンク、ピンクと白の間には無限に近い色が存在しています。その色の選別をしていくことは難しいですね。赤、ピンク、白は、この色ですと紹介することは分かりやすいし、何らかの指標がないと困るのは事実です。実際、臨床場面では、明確なA障害もあれば、AとBの要素を併せ持つ、明確なAではないがAの要素を持つという事は珍しいことでは、ありません。診断は、今後どうするかの大切な指標になるには違いありませんが、同じAであっても程度、背景、環境、性格・・・違う事はたくさんあり、同じ状態の人はいません。
つまりA、Bは、支援していく大まかな指標で個別には状況に応じての支援になります。ですから大まかな指標に偏ると個別的対応でミスマッチを起こしやすくなる危険性が出てきます。また明確な病気や障害でなくても様々なストレスや問題ある環境下において色々な問題が出て生活適応に支障が出ることもありますし、明確な病気や障害を持っていても生活適応していることもあります。
障害や病気の有無や程度を知ることは重要ではありますが、こだわり過ぎずに生活適応という枠組みの中で捉えていくことが現実的対応(マッチング)となります。
それは、生活しているし、していくことが、生きる根幹だからです。