<好転と暗転>

 

好転と暗転については、今まで述べたテーマの中で部分的に記載されていますが、ここで整理しておきます。

 

(好転のサイン)

主体的(自立的・自律的)、元気(活性がある)、実現可能な目標を持つこと、事態に向き合うこと、自分の現状を客観視する(自己洞察する)、失敗や挫折に引きずられずにチャレンジする、適切な状況分析をする、適切な反省をする、物事の結果を自己責任として捉える、感情のコントロールがされている(感情による行動のぶれ幅が少なく、自分で制御できる)、保護者または関わる方の心理的負担の軽減が確認されている、などで、それぞれが単一に生起するのではなく、連動を起こし、結果として問題の解決や軽減、社会適応が促進されます。


(暗転のサイン)

  好転の逆のサインの出現です。

これも単一で生起せず、連動して出現してきます。


(注意事項)

サインが単一もしくは連動がされない場合は、好転や暗転とは断定されず、一過的反応で何かしらの単一な動機の場合です。たとえば、~したら、あるいは、~しないことが賞罰と連動しているなどで、内発的な動機でなく、外部からの枠組みが与えられた場合です。

 

(好転条件)

好転していくためには、実現可能な目標設定とその実行で、得られやすい成功体験をすることです。それによって主体的意識が強まってきます。
 誰にでも経験があると思いますが、物事が上手く行くと気持ちが良いはずです。
こうなると向上心が働いて、さらに高みを目指そうとします。
結果として自然と忍耐力が付いて、ストレスがあっても強く意識はされなくなります。
つまり健全な精神状態へと変容していくのです。
身体にたとえると体力が付いたので疲れていても回復が速く、病気にかかりにくくなるなどです。
発達や心に問題を抱えていても好転・暗転の構造パターンは同じですが、認知や感受性、性格などの特異性、知的水準、対人関係能力、コミュニケーション能力、環境、トラウマ、興味、生活史などの個の状態をよく把握した上での実現可能な目標設定が必要です。