<心の恒常性>

 

疲れれば休み、頑張れば、楽しむなど、心の状態を一定にすることで、それは恒常性を保とうとする健康のバロメーターです。
疲れ、忍耐、苦痛、不安、怒りなどマイナス、喜び、楽しみ、達成、休息、愛情、感動などをプラスとしてみます。
心の恒常性が保たれているかどうかは、明確なものでなくプラスとマイナスで相殺されれば、ニュートラルで、プラスの方が多いか、マイナスの方が多いかになります。見極め方法は、人の行動を自分に置き換えてどのような思いが残るかで判断します。
注意すべきはマイナスが持続されて、恒常性が保てなく、自らニュートラルにもっていけない状態になっていることです。


(マイナスの状態の例)

友達は少なく、休憩時間は1人で過ごすことが多い、放課後は習い事があり、自由に過ごせる時間は、宿題が終わってゲームをして過ごすこと、口数は少なく学校での出来事は、ほとんど話さない。休日はテレビ、漫画、ゲームをして過ごす。性格はおとなしく、自己主張することは少ない。交友関係は少なく与えられたことを黙々とこなし、楽しみはゲームなどの1人遊びです。取り立てて深刻な適応上の問題は生じていませんが、学校のことをあまり話さない、交友関係が少ないこと、自己主張することもあまりないことで、最近、変な体のクセが出てきた・・・陰性的感情を貯め易い状況であること、根拠の一つに変な体のクセの多くはチックでストレスとの相関が高いことです。この状態の持続で生じやすい不適応な状態の一つに不登校があります。

(恒常性の有無のポイント)

交友関係が希薄、自己表現少ない、チック、これらが個人的楽しみで相殺されてない状態

 

(ニュートラルの状態の例)

友達は数人いて、うち一人親友がいる。休憩時間は友達と過ごし、放課後や休日も友達との交流が活発である。勉強は苦手で成績は芳しくはない。

週1回、文句を言いながら塾には行っている。学校は楽しそうで、よく話をする。

(恒常性の有無のポイント)

苦手なことや嫌なことがありながらも友達との関係が保たれ自己表現もできている。登校意欲があるので集団適応はよいと判断される。

 

(プラスの状態の例)

友達との交流は活発で、面倒見もよく、友達に慕われている。野球が好きでクラブに入っている。レギュラーは取れていないが、練習は積極的にしており、監督に評価されている。休日にも1人で練習もする。レギュラーになりたいというがそれより、自分が納得するスキルを身に付けることを目標にして努力している。

(恒常性の有無のポイント)

現状を引き受け実現可能な目標を持ち努力することと人に協力的であり健全である。