<こどもの素顔(思い)>

 


こどもが示している問題、たとえば発達障害による様々な症状、学校に行けない、また渋っている状態、心因性の体調不良、引きこもり・・・この状態の対処方法について考えていくわけですが、適切な支援を導き出すには、こどもに尋ねる作業をして原因を確定していかなければなりません。こどもは、大人ほどの自己洞察力や表現力、判断力、経験を持ちえていませんし、こども自身が自分のことをつかみきれていないことも多々あるものです。ですから忍耐強く、愛情を持って、無理強いせずに尋ねていくことです。大変ですが、非常に大切なことなのです。聞き取ったことのなかには、予想以上に孤独な状況におかれていたり、不安が強く、繊細で複雑であったりして驚かされたり、意識化されにくい自己防衛の心理を持つ(記憶をぼかしたり、考えないようにするなど)など、これらは過度な精神エネルギーを使うために疲れ、ストレスをためている現実にいることが多いのです。
明らかに原因が分かることは別ですが、大人の一方的な決めつけや根拠が曖昧な状態で原因と見るべきではないのです。言動からその動機は何なのかを推察しますが、尋ねていくと真実は、かけ離れたことも多々あるので、尋ねる方の感覚を廃して聴くことが肝要です。
こどもなりに大人に気を使い、大人の要求を察して本心を隠して偽ったり、自分を守るために曖昧に表現したり、問いかけを無視、拒絶することもよくあることです。
そうするこどもは、大人との関係において、互いに充分な受け止めができていない環境にいることでもあるのです。
心の中で起こっていることは、見えるものでないので簡単に人と比較できませんし、こども自身が感じ考えていることは、当たり前の感覚でよほどのことがない限り、修正が必要だと思いません。しかし第三者から見るとストレスをためやすい状況におかれていたり、捉え方が適切でないと分かるのです。
時間はかかりますが、忍耐強く子ども自身が、物事の捉え方の誤認の自覚を促す援助をしていきます。それはこどものことでこどもにとっての真実だからです。